
古き良き日本の伝統のひとつとして、今も受け継がれている「畳」。
和室に必須の床材である畳ですが、カビが発生したり交換が必要だったりと、他の床材に比べて管理が大変という理由から、最近は和室離れが加速している気がします。
そんな寂しい現状を少しでも打破するため、今回、改めて「畳」のメリットについて調べてみたいと思います。
また、カビ対策や交換時期の目安についても合わせてまとめますので、畳の購入を考えている方は、是非、参考にしていただければと思います。
畳のメリットとは?
フローリングやカーペットなどと比較して、畳のメリットとはどういったものがあるのか見てみましょう。
- 夏は風通しが良く、涼しい
- 日本の伝統を感じる
- 転んでも怪我をしにくい
- 横になっても痛くない
- 来客時に椅子の用意がいらない
- い草の癒し、リラックス効果
- 抗菌、脱臭作用
- 防音や吸音効果
このように、畳は昔から日本で愛用され続けているだけあり、畳特有のメリットもたくさんありますね。
癒し効果はもちろん、防音や抗菌効果まであるのは驚きです。
畳は、古き良き日本人の知恵の結晶といっても過言ではないでしょう。
畳の取り換え時期と方法とは?
畳には、嬉しい効果がたくさんあることが分かりましたが、性能を維持するためにはメンテナンスが必要です。
まず、畳の取り換え時期についてですが、以下のような状態になってくれば取り換えをおすすめします。
- 畳の表の色が黄色や褐色に変色
- 畳に直で触れた時、衣類にい草の粉が頻繁に引っ付く
- たくさんの擦り切れや、傷みが目立つ状態
次に、畳の取り換えの方法ですが、その前に畳の各パーツの名称について説明します。
畳は、「畳床」「畳表」「畳縁」の3つのパーツで出来ています。
畳床とは、畳の中身(土台)の部分で、畳表が表面のゴザの部分、畳縁が畳の縁に縫い付けてある布の部分を指します。
畳は、畳床の上に畳表を張り、最後に縁を縫い付けて作られています。
そして、取り換えの方法ですが、何パターンか存在するので以下に紹介します。
裏返し
畳表は両面使用できるので、向きを変えて綺麗な裏側を使用する方法です。
表替え
畳床だけを残し、畳表と縁を新しいものに交換する方法です。
新畳(新しい物に入れ替え)
部分的な入れ替えではなく、完全に新しい畳に入れ替える方法です。
通常、購入後3~5年で「裏返し」、7~9年で「表替え」、10年以降で「新畳」を行います。
いつもベストな状態をキープしておくことで、畳の効果は最大限に発揮されますし、メンテナンスが完了すると畳がピカピカになりテンションも上がります。
メンテナンスは大変だと思いますが、数年に一度の作業なので必ず行うようにしましょう。
畳のカビ対策
カビが特に気になるのは、梅雨時期から初夏のじめじめした時期ですよね。
6月から8月はカビの活動が活発になる時期であり、畳のダメージを考え、しっかりとした対策が必要になります。
まず、カビが好む環境についてですが、
- 温度: 20度~28度
- 湿度:75%以上
といった、高温多湿の環境を好みます。
日本の夏は高温多湿の環境となりますので、カビにとって最高の環境といえます。
また、汚れやホコリはカビにとって最高の栄養源になります。
このことから、梅雨時期には特に意識して掃除を行う必要があります。
次に、カビの対策についてですが、以下のような作業を行ってください。
湿度を下げる
湿度計70%を越えると、除湿器やエアコンの除湿機能を使用。
畳を乾かす
除湿器で湿度を下げつつ扇風機で畳みに風を送る、また、天気が良い日は窓を開けて、風を通して湿気を防ぐ。
これでも、カビが発生した場合は、以下のような方法でカビを除去して下さい。
- 天気のいい日に畳を外に出し、裏側に日光を当てる
- マスクをして、畳の目に沿って掃除機を使用し、カビを吸い取る
- お酢を水で10倍に薄め、硬く絞った雑巾で軽くこするように拭く
- 室内を換気しながら畳に消毒用エタノールを吹き付け、軽くこする。
消毒用エタノールを使用した場合は、扇風機や冷房の風で十分に乾かしてください。
ドライヤーの熱風などは厳禁です。
最後に
畳は、日々の生活を支える部屋の床敷材料としての役割だけでなく、リラックス効果まで与えてくれる、日本の心が詰まった伝統的な床材ということが分かりました。
しかし、この効果を最大限発揮するためには、こまめに掃除を行って清潔に保つことが必須です。
もしメンテナンスを怠れば、カビが生え健康に悪い影響を与えかねないことも分かりました。
日本人の伝統である「畳」。
正しい管理方法で守り続けたい文化ですよね。