
つくしはシダ類のスギナの胞子茎で、田んぼのあぜ道や川の土手に行くと、よく生えているのを見ることができます。
昔から、つくしは家庭料理としてご飯やお酒のおつまみの一品で親しまれてきました。
3月中旬から4月下旬の桜の咲くころに、道端で褐色のつくしを見つけると、味付けして食べたくなる人もいるのではないでしょうか。
しかし、つくしには毒性があるとも言われており、食べる時は気をつけないといけないようです。
また、つくしを食べる際の下処理の方法も知っておいた方がいいでしょう。
今回、つくしの食べ方や毒性の有無についてまとめました。
目次
つくしに毒性があるのは本当?
つくしには、じゃがいもの芽などに含まれている「アルカロイド」という、毒性のある成分が微量に含まれています。
この成分を過剰に摂取してしまうと、腹痛・下痢・嘔吐・めまい・呼吸困難などの症状が現れます。
ただ、大量に食べない限り人体に影響するものではないと言われているので、年に1、2回通常量を食べる程度では、特に心配はいらないでしょう。
つくし採取の方法について
つくしの食べ方の前に、つくしが生えている場所を見つけるポイントや、とり方について紹介したいと思います。
まず、つくしは日当たりの良い南側の斜面の土手や使われていない畑、原っぱなどを中心に探しましょう。
美味しいつくしは、だいたい長さ10センチくらいからで、大きいほど下処理もしやすいのでおすすめです。
つくしを見つけたら、茎の根元を人差し指と親指でつまんで、抜き取るように採りましょう。
片手でギリギリ掴みきれる程のつくしが採れたら、料理ができる量になります。
つくしの下処理法
ある程度、つくしを収穫することができたのであれば、さっそく以下の手順で下処理をしていきます。
1、汚れてもいいように準備をする
採ってきたつくしは土がついているので、服や机も汚れやすくなります。
服や机に泥が付かないように、エプロンをして机の上に新聞紙を広げ、そこにつくしを置いて作業を始めましょう。
2、はかま(鞘)を取る
まずは、つくしの節ごとにかぶさるようについている「はかま(鞘)」を取り除きます。
はかまは毒ではないですが、煮ても硬くて口の中につっかえますので、取り除いた方がより美味しく頂くことができます。
はかまは、親指の爪で割くように切れ目を入れ、まわすように剥がしとると取れやすいです。
爪の間がつくしのあく(灰汁)によって黒くなり、なかなかとれませんが、つくしを食べるために割り切って下さい。
手袋をしたままだとこの作業はまず無理ですし、出来たとしてもとてつもない時間がかかってしまいますので、素手で素早く行いましょう。
はかまをすべて剥くことができれば、最後の節から下の部分は硬いことが多いので、折って捨てて下さい。
3、水でよく洗う
ボウルに入れて、水でつくし一本一本をキレイに洗います。
土が落ちているか確認しながら、2回程水を入れ替えて洗いましょう。
4、お湯で煮沸させる
キレイに洗ったつくしは大きな鍋に水を多めに張り、約5分間煮沸します。
鍋のお湯の中でつくしが踊るように煮沸できれば申し分ないのですが、大量のつくしを煮沸している場合は、よくかき混ぜながら作業するようにしましょう。
終わったら、ザルでよく水切りしてください。
煮沸したあとのお湯が緑っぽくなっていると思いますが、これは胞子が溶け込んでいるためです。
苦くて他の料理などには使えないので捨てて下さい。
ちなみにつくしは苦味が美味しさの秘訣ではありますが、それが苦手という方は、もう一度5分程度煮沸すれば、さらに苦味がとれます。
以上、つくしの下処理の方法を終わります。
下処理を終えたつくしを冷凍しておけば、いつでも料理することができるので、献立に合わせて量も調節してくださいね。
つくしのおすすめの食べ方について
最後に、つくしの食べ方ですが、今回、簡単に作れて美味しく食べられるレシピを紹介しておきます。
つくしの茶碗蒸し(2人前)
材料
- 卵 2個
- ☆だし 300㏄
- ☆塩 少々
- ☆しょうゆ 小さじ1
- ☆みりん 小さじ1
- ☆酒 小さじ1
- 菜の花 4本
- つくし 8本程
- カニカマ 3本
作り方
- つくしは下処理し、菜の花も事前に茹で、カニカマはほぐしておく
- ☆の材料はボウルに入れ混ぜ合わせておく
- 卵を滑らかに溶き2に加えて混ぜ合わせる
- 器に1を入れ、3を注ぎ入れる(1個150㏄ほど)
- 蒸し器に4を入れ、5~6分蒸し完成
つくしの佃煮
材料
- つくし 約15本
- サラダ油
- かつおだしの素 5g程
- しょうゆ 小さじ1
- みりん 小さじ1
- めんつゆ 好み
作り方
- つくしをサラダ油で軽く炒める
- かつおだしの素を入れ、しょうゆ・みりんで味付けする
- ふたをして3分煮る
- 最後にめんつゆで好みの味に仕上げる
まだつくしを食べたことがないと言う人も、今回紹介したレシピは絶品なので、是非試してみて下さいね。