
みなさんは「火事場のバカ力」という言葉を聞いたことあるでしょうか?
「火事場のバカ力」は、窮地に追い込まれた際などに、
普段出せないような力を発揮するという意味があります。
アニメのような話の気もしますが、現実世界でも可能なことなのでしょうか?
また、「火事場のバカ力」が発揮された実例があるのか調べてみましょう。
今回、火事場のバカ力についてまとめました。
火事場のバカ力は出し方がある?
通常であれば、とっさに発揮する火事場のバカ力ですが、
その原因について科学的に考えてみましょう。
まず、火事場のバカ力が起きる要因として
「危機的状況」や「アドレナリン」があります。
危機的状況に面したり興奮した状態になると、
脳がリミッターを外し筋肉の稼働率を上げ、
通常では考えられない力を発揮することができます。
つまり筋肉の稼働率が上昇することによって、
バカ力が発揮できるのです。
筋肉の稼働率とは、筋繊維が神経によって
何本動いているかの率です。
元々人間には、意識的に使える力をコントロールする
リミッター機能が備わっています。
もし、100%の持っている力を発揮してしまうと筋肉や骨などに
損傷が起こる危険性が高まります。
そのため、脳のリミッター機能が私たちが発揮する力を
制御しているのです。
バカ力を発揮することは、
「筋肉の稼働率の上昇=リミッター解除」ということになります。
普段はこの稼働率は低く動いていて、
せいぜい30~50%程度で100%ではありません。
この稼働率が2倍に増えると筋力も2倍に上昇します。
腕の太さとは全く関係がないので、女性でも筋肉の稼働率は上がります。
まとめると、危機的状況において突発的に命の危険を感じたり、
自分の大切な人や物を守るため、気持ちを高ぶらせ、
リミッターを外すことができればバカ力の発揮につながるのです。
「火事場のバカ力」実例集!
火事場のバカ力の原理が分かったところで、
次はいくつかの実例もみていきましょう。
・15歳の少年がおよそ900㎏の車を持ち上げた
2012年にアメリカのミシガン州に住む15歳の少年が、
900㎏を超える車を持ち上げたと話題になりました。
これは、少年の祖父が車の下敷きになってしまったのを
少年が「火事場のバカ力」によって持ち上げ、助けたということです。
少年自身はその時の出来事について「自分も何が何だかわからない」と
驚いていたそうです。
祖父が死に直面しているのを目の当たりにしたことによって、
少年にアドレナリンが分泌し、バカ力が発揮されたのですね。
・スポーツ選手の気合い
危機的状況だけでなく、一流のアスリートともなると
「火事場のバカ力」を出すこともできるようです。
イメージしやすいのがハンマー投げや重量挙げの競技です。
選手たちはハンマーを投げるときや重量挙げの際に
叫び声をあげていますよね。
あの行為はただ気合のためではなく、
声を出すことによってリミッターを解除する行為なのです。
また、スポーツ選手はよく試合の前に「精神統一」として
自分の世界の中へと入りますよね。
それが人並み外れたパワーを出す準備によるものなのです。
このようにアスリートは、独自のリミッター解除法を持ち、
火事場のバカ力を発揮することによって、
通常以上の力を出しているといっても過言ではありません。
火事場のバカ力は誰の中にも眠っている潜在的な能力なので、
訓練をすれば引き出しやすくすることも可能です。
その近道として「雑念を無くして、自分はやれると思い込む」
という手段が有効でs、自己催眠のように言い聞かせることで、
潜在能力が引き出されるのです。
危機的な状況や、力を発揮したいというときに役立つ「火事場のバカ力」。
みなさんも訓練をして、ここぞという時に使えるようにしてみるのはいかがでしょうか。