
「国民年金」とは、様々な生活上のリスクに対応するために国が運営する保険であり、終身年金です。
しかし、「年を取るとお金を貰える」以外に、詳しい仕組みについて分かっている人は少ないのではないでしょうか?
そして、現在は若い人の多くが年金を滞納しているという現状があるとも言われています。
今回、年金を滞納するとどうなるのか、分かりやすくまとめてみました。
目次
年金の仕組みや払わないとどうなる?
日本国内に住む20歳から60歳までの人は、国民年金保険に加入する義務があり、原則、毎月保険料を納めなくてはなりません。
日本の現在の年金の仕組みは、若い人が毎月年金を支払い、そのお金が年金をもらっている人を支えるシステムになっているからです。
ですから、将来、若い人(働くことができる人)が少なくなり高齢者(働くことができない人)が多くなってくると、このシステムは必然的に破綻してしまいます。
そのため、「どうせ自分たちはもらえないのに払う必要はない…」と思い、年金を払わない若い人が急増しているようです。
しかし、国民年金保険の保険料を払うのは任意ではなく「義務」になっているので、払わないのは絶対にNGとされています。
最悪の場合、預貯金など財産の差押えをされるケースもあります。
財産差し押さえの流れとは?
財産差し押さえになるまでの流れを簡単に説明します。
1、「未納」
例えば、7月分の保険料を翌月の8月末までに納入しないと、「未納」という扱いになります。
2、「催告状」
「未納」になると、未納の保険料の額と払い方についての案内が書かれた「催告状」が送られてきます。
「催告状」が来てもすぐに何かがあるわけではなく、滞納分を払えば問題ありません。
この時点では利息がつくことはないですが、督促の電話が業者からかかってくる場合があります。
3、「最終催告状」
「催告状」が来てもまだ支払わなければ、「最終催告状」が送られてきます。
これには、「この期限までに払わなければ法的な手段をとる」というようなことが書かれています。
「最終催告状」には、最終納付期限が書かれていますので、その期限までに滞納分の保険料を納めれば問題ありません。
4、「督促状」
「最終催告状」が届いても、まだ払わない場合は「督促状」が送られます。
これは法的な通知となるため、「督促状」に書かれている期限までに納めないとペナルティーがあります。
ペナルティーとは、
- 延滞金14.6%が課せられる
- 財産が差し押さえられる可能性がある
といった2点です。
「督促状」が発行されると、本当にこの人は保険料を納めるだけの余裕がないのか国の調査が始まります。
病気で働けない人や失業中の人であれば、手続きをして免除や猶予となりますが、支払うだけの収入はあるのに払っていない場合、次の段階へ進みます。
5、「差押え予告」
期限までに滞納分の保険料を納めず、調査の結果で保険料が払える状態であることが分かったら、「差押え予告」が送られます。
この用紙が届くといよいよ財産差し押さえまでの最終段階に突入したと言えます。
回避するためには、一刻もはやく年金事務所に相談に行くか今まで滞納していた分の支払いを済ませましょう。
6、「差押え開始」
「差押え予告」を無視すると、差押えが始まります。
本人の預貯金や車、家や土地などはもちろん、配偶者や連帯納付義務のある世帯主などの財産も差し押さえられることになります。
「最終催告状」が送られてから「差押え開始」までの期間は、およそ2年間とされています。
これだけ長い間放置することはまずあり得ないと思いますが、ここまで相談すらせずに放置してしまうと、もはや「自業自得」の域ですよね。
差押えにならないために
色々な理由で払うことができない場合、せめて「差押え予告」が来る前に、何らかの手を打ちましょう。
例えば、
- 少しでも良いので未納分を納める
- 年金事務所に相談に行く
といった、お金がほとんどなくてもできる簡単なことで結構です。
放置するのではなく“保険料を払う意思はある”ということを見せるのが大切なようです。
未納分を分割で支払うこともできますし、収入の額によっては免除になる可能性も十分にあります。
2015年、現在の保険料は一月約16000円程度…この出費は大きいですが、将来の自分や家族のための保険料と思って納めるようにしましょう。
財産の差押えになってしまってからでは遅いですからね…。