
イチョウ並木が色づいて、銀杏のニオイがしてくると秋を感じますよね。
ニオイはきついですが、柔らかくホクホクとした触感が美味しい銀杏。
茶わん蒸しに入れたり、銀杏ごはんにしたりと様々な料理方法があり、
ついつい食べ過ぎてしまいがちです。
しかし、銀杏を食べすぎると中毒を引き起こす事をご存じでしょうか?
今回、銀杏を美味しく安全に食べるため、臭いニオイを取り除く処理方法や
銀杏中毒の詳細や予防法についてまとめました。
目次
銀杏を食べ過ぎると中毒になる?
秋が旬の食材である銀杏は、食べ過ぎることで
中毒になることがあります。
美味しい銀杏をできるだけ安全に食べるためにも、
銀杏中毒についてきちんと学んでおきましょう。
・銀杏中毒の症状
銀杏中毒になると、主に嘔吐・下痢や痙攣という症状が起き、
重篤な場合には意識を失うことや、まれに死亡に至るケースもあります。
・銀杏の中毒の原因になる成分
食用とする銀杏の種の中には、ビタミンB6によく似た
MPNという物質が含まれています。
MPNは体内でビタミンB6の吸収を阻害します。
これにより、ビタミンB6欠乏を引き起こすことが原因で
痙攣といった症状が起こるのです。
・銀杏中毒に陥りやすい人の特徴
銀杏による中毒症状が報告された7割の患者は、なんと5歳未満の小児です。
これは、小児にはMPNを解毒する酵素がまだ十分に備わっていないためといえます。
・銀杏の中毒量
2009年に日本中毒情報センターにより発表された情報によると、経口中毒量は、
- 小児 → 7~150個
- 大人 → 40~300個
と報告されていますが、数にかなりの開きがありますよね。
実は、大人でも5~6個摂取しただけで中毒を起こしたケースもあるため、
中毒量は個人差が大きいのです。
・銀杏中毒の予防法、対処法
銀杏を摂取による中毒を確実に防ぐためには、
小さい子供は特に食べさせないようにした方がいいといえるでしょう。
もし、万が一中毒症状が出た場合には、痙攣を誘発する恐れがあるため、
嘔吐させないようにしましょう。
そして、速やかに病院へ行き、適切な治療を受けるようにしてください。
銀杏の臭みをとる下処理方法
銀杏は美味しいけれど、なんとも言い難いニオイを発するため、
落ちていても拾う事をためらいがちになります。
イチョウ並木は美しいけれど、その臭いニオイのせいで
銀杏を避けてしまう人も多いかもしれませんね。
ニオイの原因や、また臭いニオイを取るための
下処理方法についてご紹介したいと思います。
・銀杏のニオイの原因
銀杏の外皮部分には2つのニオイ成分、酪酸とヘプタン酸が含まれており、
この2つが、外皮が熟した際に出る悪臭の原因です。
ちなみに、銀杏の臭いニオイの原因と
人間の足の臭いニオイの原因は同じなのだとか。
人間の足のニオイがする食べ物を、
そのまま食べるのはさすがに抵抗がありますよね。
・銀杏の臭みを取り除く処理方法
処理を行う前の注意点ですが、銀杏にはギンコール酸という成分を含んでおり、
長時間接触を続けると皮膚がかぶれてしまいます。
そのため、下処理の際はゴム手袋の着用を忘れず行いましょう。
それでは、銀杏のニオイを取り除く下処理方法を紹介します。
1. バケツに銀杏を入れ、銀杏が完全に浸るぐらいの水を張ります。
2. 水と銀杏を入れたバケツを3~4日置いておきます。
※水に浸していても嫌な臭いがするので、臭いが届かない場所に置いておきましょう。
3. 銀杏の外皮がブヨブヨになっていることを確認し、水から銀杏を揚げましょう。
4. 銀杏のブヨブヨになった外皮部分を流水で流しながら取り除き、種だけを残しましょう。
5. 種を数日間天日干しにし、乾燥させましょう。
6. 乾燥した銀杏を室内に移し、ストーブの周りに置き室内干ししましょう。
7. 銀杏の殻が白くなったら、2~3個殻を割って中から水が出てこないことを確認し、
水が出て来なければ下処理は終了です。
銀杏は、美味しいけれども食べ過ぎると
中毒を引き起こしてしまうという二面性をもった食物です。
しかし、銀杏を全く食べないでいてはもったいないほどおいしいので、
きちんと危険性を知ったうえで、適量を美味しくいただきましょう。