
ご飯のお供として、またおにぎりの具材としても使える日本人にとって無くてはならない「梅干し」。
ただ、ほとんどの方は梅干の“外側”だけ食べて種を捨てているかと思いますが、中には誤って飲み込んじゃったという人も多いと思います。
「梅干の種は体に悪い」と聞くので、子供が飲み込んでしまうと心配ですよね。
また、梅干しを割ると中から現れる物体についても気になっている人は多いのではないでしょうか?
今回、梅干の種の“中身“の正体、そして飲み込んだらどうなってしまうのかについてまとめました。
梅干の種の中身は「神様」と「悪魔」が?
梅干の種をカリッと割ると、アーモンドを小さくした様なものが出て来るかと思います。
果たしてこのアーモンドの正体は一体何なのか、また飲み込んでも大丈夫なのでしょうか?
実は、梅干しの種の中身は、縁起の良いものとしても悪いものとしても捉えることもできます。
さっそく、梅干しの正体について見ていきましょう。
梅干の種の正体は「神様」?
梅干の種の中にあるアーモンドみたいなものの名前は、
- 仁
- 梅仁
- 天神様
などと呼ばれています。
天神様は「学問の神様」として天満宮に祀られているため、受験の時などでお世話になった方も多いかと思います。
種の中に天神様がいるとされている所以は、平安時代の貴族である菅原道真にあります。
菅原道真は梅の短歌を詠むほど梅に対しての思いい入れが強かったことから、梅は大変ありがたいものであると人々の間に広まりました。
そしてやがて梅干の種の中には神様(天神様)がいらっしゃるという話になり、現在に至るという訳です。
もちろん神様なのでぞんざいに扱うわけには行かず、太宰府にある天満宮では「梅干の種納める所」が設けられています。
梅干の種の正体は「悪魔」?
梅干の種の中には学問の神様である天神様がいらっしゃいますが、同時に悪魔も存在しています。
天神様の中にはアミグダリンという物質が含まれており、これが体内に入ると分解されてシアン化合物になります。
シアン化合物とは「青酸カリ」のことで、強い毒性を持ち少しでも体に取り入れると無事では済まされません。
ミステリーファンであれば青酸カリの恐ろしさはよくご存じではないでしょうか。
青酸カリを実際に手に入れるとなると簡単にはいきませんが、梅の種の中に含まれているとなると…考えるだけで寒気がします。
しかし、ご安心ください。
神様には確かに“毒“が含まれていますが、それは若くて青い梅に限った話です。
成熟して塩漬けされた赤い梅には含まれておらず、好んで食べている方も多いので、飲み込んだとしても体に害はありません。
むしろ健康に良く梅干の種をそのまま丸呑みする、「梅干の種丸呑み健康法」なるものが存在している程です。
実行するには少々勇気が必要になるかと思いますが、続けていると胃痛・胸焼け・二日酔い、中には血糖値が改善されたという人もいるそうです。
神様の取り出し方
普段口にしている梅干の種の中には天神様がいて、栄養満点と聞けば、そう簡単に捨てる訳にはいかないですよね。
梅干しの種の中身を取り出すには歯でかち割ってという方も多いかもしれませんが、あまりオススメは出来ません。
というのも、歯でかち割って取り出そうとした経験がある人なら分かると思いますが、梅干しの種の外側の殻はとてつもなく硬いです。
歯が折れてしまう可能性もあるので、必ずハンマーなどの道具を使って取り出す様にしましょう。
※天神様を頂くにあたっての注意!
成熟した梅にある天神様には毒はありませんが、健康に良いからと食べ過ぎてしまうと体調を壊してしまう可能性があります。
毎日ではなく数日にひとつという風に、時々摂る様にして下さいね。
まとめ
梅干の種の中身を食べると健康に良いので、本当に神様がいても不思議ではありません。
しかし良薬は毒物にもなり得るので、注意が必要です。
もしも梅干の種をいつも捨てているのであれば、一粒だけでも良いので口に入れてみてはいかがでしょうか。
抵抗感はあると思いますが、意外とやみつきになりやめられなくなるかもしれませんよ。