
夏になると、暑さで食品が傷みやすくなるために家庭や飲食店で食中毒の被害が増えます。
食中毒は症状の重さが様々で、軽めの場合は風邪やお腹の冷えが原因だと考えがちです。
しかし、重症化するケースも少なくないため、食中毒にならないよう予防法を知っておきたいですよね。
今回、家庭と外食の場合に分けて、夏場の食中毒の予防法についてまとめました。
目次
外食での食中毒対策について
夏場は暑さにやられ料理が面倒くさく感じたり、食品の保存が利きにくいこともあり、つい外食になってしまうことがよくあります。
外食の際に気をつけなければいけない食中毒の予防法は2つあります。
1、とにかく手洗い
ファミリーレストラン等の入口にあるアルコール消毒ももちろんいいですが、完全な消毒にはなりません。
食中毒の原因となる菌には、加熱や消毒だけでは不十分なものもあります。
外食で多くの人と一緒にご飯を食べる際には、家庭で食べる時より多くの菌に触れることになるため、とにかく手洗いをこまめにするようにしましょう。
また、いつもより入念に石鹸をつけて正しく手洗いをしましょう。
2、生ものは避ける
どんなに高級なお店であっても、生ものを食べるときには食中毒に注意すべきです。
清潔にしているように見えても、菌は目で見ることができないのです。
ですから、食品が傷みやすい夏場は特に生ものは食べないようにするのが一番の予防策です。
生ものの代表的なものは牛肉で、腸管出血性大腸菌O157に感染の恐れがあります。
O157はひき肉も含まれているため、ハンバーグなどもレア焼きは注意です。
鶏卵はサルモネラ菌がですが、これは鮮度には関係なく親鳥からの遺伝なので、半熟や生卵は避けるしかありません。
また、生の魚介類からは腸炎ビブリオに感染します。
食中毒の45%が外食での感染と言われており、家庭内の感染は10%程度しかありません。
「外食だからお店が注意してくれているだろう」という甘い考えは怖いですよ。
食中毒の家庭での予防
もちろん、食中毒は家庭でも発生します。
調理の際に意識して食中毒対策ができるように、注意点をまとめてみました。
1、食品購入の際の注意点
なるべく新鮮なものを選び、消費期限は必ず確認しましょう。
購入した食品は、無造作に同じ袋に入れないようにしてください。
特に魚肉類は、その食品の汁が他の食品にかからないようにビニールに入れて持ち帰りましょう。
生鮮食品はドライアイスなどで冷やしながら持って帰ると共に、急いで帰るようにしてください。
2、保存方法の注意点
冷凍・冷蔵が必要な食品を持って帰る際には、必ずドライアイスをもらいましょう。
帰ったら放置せず、すぐに冷凍・冷蔵庫に入れることも忘れずに。
また、詰めすぎると冷却効果が低くなる上に電気代も無駄になるので、冷蔵庫は収納量の7割程度にしておきましょう。
冷蔵庫・冷凍庫の温度に関しては、それぞれ10度以下・-15度以下に保つようにしましょう。
魚肉類は冷蔵庫内でも汁が他の食品にかからないように、ビニール袋や容器にわけて入れておくようにしてください。
3、料理前の下準備の注意点
台所を使うときには、以下の点をチェックしましょう。
- 生ゴミの捨てる場所は調理器具と離れているか
- タオルや布巾は清潔に洗濯されているか
- 手洗い用の石鹸はあるか
また、調理する前には以下の点をチェック、注意しましょう。
- 包丁やまな板は熱湯をかけて殺菌しているか
- 調理済みの食材と生の食材を同じまな板で切っていないか
- 調理中にオムツやペット用品に触れたら、毎回丁寧に手洗いと消毒をしているか
- 夏場は絶対に自然解凍しないでレンジで解凍すること
4、調理中の注意点
肉や魚の汁でシンクやまな板が汚れていないか確認し、もし汚れていれば熱湯をかけ、その後念入りに手洗いをしましょう。
5、食事する際の注意
まず、食事の前に手を洗うことを忘れないようにしましょう。
そして、食卓に長い間料理を放置しないように注意し、やむをえない場合には必ずふたやラップをかけるようにしましょう。
時間をおいて食べる時は、必ずレンジやコンロで温め直しを行うようにしてくださいね。
6、残った食品と片付け
食品が残ってしまったら、浅めの容器に保存することで早く冷めて傷みにくいです。
使った食器類はよく洗い、濡れたまま収納しないように、きちんと水分を拭き取っておきましょう。
もし可能であれば、食器洗浄機で75度以上の熱湯をかけて殺菌するようにしましょう。
また、食器を洗うスポンジや拭くための布巾は、定期的に漂白剤につけて殺菌を忘れないようにしてくださいね。
最後に…
食中毒の予防にはこまめな手洗いと、こまめな洗浄・消毒・殺菌が大切になってきます。
つい面倒になってしまうかもしれませんが、気を抜かずに毎回きちんとやりましょう。
習慣づけて、夏場だけでなく年中やるようにすると食中毒と縁のない生活を送ることができるはずです。