
日本では、5月5日は男の子の節句で「端午の節句」と呼ばれおり、鯉のぼりや兜を飾り、子供の健やかな成長を喜び、立身出世を祈願してお祝いします。
そんな、端午の節句には、「ちまき」や「柏餅」を食べてお祝いする習慣があります。
ちまきは中国でも食べられていますが、柏餅はどうして食べられるようになったのでしょうか。
また、柏餅を食べる時に葉っぱは食べられるのか気になったことがある人は多いのではないでしょうか?
今回、端午の節句に柏餅を食べる意味や由来についてまとめるとともに、葉っぱは食べられるのかについても合わせて調べてみました。
端午の節句に柏餅を食べる意味と由来
端午の節句に柏餅やちまきを食べる風習がありますが、ちまきは中国から伝わったものです。
柏餅を食べる習慣は中国にはなく日本独特のもので、江戸時代の柏餅の葉っぱは“サルトリイバラ”が普通でした。
しかし大都会であった江戸では、田舎でしかとれないサルトリイバラの木の葉っぱはとても貴重なものでした。
そんな時、江戸の商人はサルトリイバラよりも香りが良く、しかも縁起の良いかしわの葉っぱに目をつけたのです。
かしわの木の葉っぱは、次の新芽が出るまでは落ちることがないということから、“家系が絶えないことの象徴”とされ、大変縁起の良い物として伝えられていました。
そして商人は「端午の節句に合わせて、家系の繁栄の意味を込めて、柏餅を食べる習慣を流行らせよう」と思いつきます。
その結果、商人のアイデアは多くの人に受け入れられて、端午の節句に柏餅が食べられるようになったのです。
柏餅の由来と言うのは、現代のバレンタインデーと同じように商人の策略から生まれたものだったのです。
いつの時代も、流行というものは商売人が作り出しているのですね。
以上で、端午の節句に柏餅を食べる意味と由来についてのまとめを終わります。
柏餅の葉っぱはどこから来ているのか
柏餅の「柏」とは、お餅を包んでいる葉っぱの名称で、広葉樹の幅の広い葉っぱをイメージしている人は多いと思います。
※広葉樹 → 広く平たい葉っぱを持つ木
しかし、「柏」は、私たちが想像しているものとは違う木のことを指しています。
実は、「柏」とはヒノキ科の針葉樹である“コノテガシワ”のことをさしています。
※針葉樹 → 針のように細い葉っぱを持つ木
コノテガシワは、クリスマスツリーに近い感じの樹木で葉っぱの形は長細く、柏餅に巻いてある葉っぱのイメージとはまったく違います。
柏餅の葉っぱに使用されているのは、「槲(かしわ)」の木の葉っぱです。
「槲」はブナ科の植物で、いつも見ている柏餅の葉っぱの形です。
柏餅の葉っぱの槲の木は、日本では全国で生育されているようですが、大変に虫が好む葉っぱだと言われています。
そのため、完全にキレイな柏餅の葉っぱとして使えるのは、一本の木から数枚程度しか取れないので、国産では賄えません。
ですから今は、そのほとんどを中国や韓国から輸入しています。
柏餅の葉っぱは食べられる?
柏餅を食べる時、きっと考えている人は多いであろう素朴な疑問、「柏餅の葉っぱは食べられるのか」についてまとめたいと思います。
結論から先に言えば、葉っぱに毒素はありませんので、食べようと思えば食べられます。
ただ、柏餅の葉っぱは香り付けを目的として包んでいるので、本来は食べるものではありません。
葉っぱは厚手で硬くて苦味もありますし、その多くが輸入品と言うこともあり農薬の心配もないとは言い切れません。
どうしても食べたいと言う特別な理由でもなければ、取り外してお餅だけ食べるのが無難といえるでしょう。
柏餅の葉っぱは、“食べられるけれども普通は食べないし、美味しくもない“と言うのが正解です。
もし男の子がいないとしても、端午の節句には美味しい柏餅やちまきを食べてお祝いしたいですね。
今回紹介した由来などを、子供に聞かせながら食べるというのもいいと思いますよ。